明日は早朝から皆でタージマハルへ行く予定。
だからと言ってすぐ寝る訳もなく、皆でご飯などを食べているうちに既に時計は深夜0時を回っていた。
昨日電車を降りてすぐにインド人のサキについて来たものだから何も飲み物を買ってない。
インドの水道水を飲みたいところだが、お腹を壊すと今後の旅程に影響が出てくる。
もう一人の男。インド人のちょっとハンサムな青年アビにこの近くで今もどこか開いている店がないか尋ねてみた。
「うーん。この時間だともうないかな。」
そーか。まぁ死ぬわけじゃないしな。明日起きたら水を買いに行こう。
するとアビがこう言う。
「俺、今からバイクで水を買ってくるよ!」
バイクで10分ほどの場所に開いている店があるらしい。
「いいって!いいって!もう朝まで数時間だし、事故とかあると危ないから。」
「いや、俺行ってくる。ちょっと待ってて!」
行ってしまった…。
30分後。
「おーい。買って来たよ。」
……。
これはガイドブックの注意書きに書いてあるような相手を油断させる為の手段なのか…。
翌日。
皆で寝坊。やってしまった。
家を出たのは9時過ぎ。
そして乗るバスターミナルを間違えて、また違う駅に行ってバス停を探してタージ行きのバスを見つけたのが11時近く。
そしてバスの出発が12時前…。
日帰りタージマハルのタイムスケジュールでないことは間違いない。
インドは世界で2番目の12億人の人口を抱える超大国だ。
デリーからタージまでの道も日本みたいに住宅ばっかりなのかなと思っていたが全くそんなことはなく綺麗な青空と緑豊かな景色が広がっていた。
タージに到着。
時刻は既に16時。
荷物をロッカーに預けて、いざ内部へ。
写真を撮りながら内部内部へと進む。
これがタージマハル。
しかしタージに来たことよりこの若者達とタージに来たということの方が驚きかもしれない。
外国人はインド人に比べ入場料が750ルピー(約1,200円)と高い。
しかし中は外国人専用の道とインド人用の道に所々分かれていて混雑時、外国人は時間をかけずスムーズに中を観て回れる。
このメインの建物の正面でも外国人とインド人が左右に別れ階段を登り、再度合流して中へ入るという流れだ。
インド人の観光客の方が圧倒的に多いので階段を上がった合流地点(タージの入口)で彼らを待つ。
30分。
彼らが来ない。
そういえば俺の荷物は彼らと一緒のロッカーだっけ。
やばい。
もう遅いかな。戻っても。
でもそんな風には見えないんだよな。彼らは。
どうしよう。
とりあえずダッシュで荷物預かりまで戻ってみるか…。
「おーい、何やってるんだよ。そっちは帰り道じゃないか。」
階段の上からかすかに声が聞こえた。
「だめよー、皆がいなくなったからってパニックになっちゃ。」
アビの彼女のブヒャは自分が皆とはぐれてパニックになったと思っている。
……。
タージを出ると日はすっかり落ちかかっていた。
自分にとってとても不思議なニューデリーでの出会い。
彼らの家へ戻ったのは深夜の1時。
既にアフリカへのフライトまで24時間を切っていた。
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