インド最終日。
ニューデリーで出会った仲間達とも本日でお別れ。今日の夜には空港に向かわなければならない。
仲間達は本日は仕事。
荷物だけ彼らの家に預けて今日は一人でデリーを見て回る。
コンノートプレイス。
インドの人々が歩く姿はカオスそのものだ。
さすがに全部歩いてはしんどいので今日はオートリクシャーを使うことにした。
1~2時間のチャーターで150~200ルピー(約300円)の出費は覚悟していたのだが、車を探しているとある男から声がかかる。
オートリクシャー(バイク)ではなくサイクルリクシャーのドライバー。
彼の名はバブル。
「おーおー。俺の車、いや違ったヘリコプター(リクシャー)を見てくれないか。
すごいだろ。今日はこれでかっ飛ばしてやるからどうだい。乗らないかい?」
バブルの提示料金は全部込みこみで20ルピー。
ヤ○ダ電機並の衝撃プライスだ。
話し方もなんだか穏やかだしインド最終日はこの男に託してみるかな。
そして乗車。
順調に街中を案内してくれる。
「俺は100ルピー、200ルピーっていきなり高額な料金を請求してやるやり方が嫌いなんだよ。
お客さんが満足してくれれば俺もハッピー。それがベストなやり方さ。」
なんて良いことを言うんだバブル。
しかし途中でやたら土産屋さんでの買い物を勧めてくる。
ははーんなるほど。格安料金の仕組みはこれだな。
バックマージン。後で店の人からお金を貰うのか。
しかし世界一周旅行を目指す者にとってやたらとお土産を買うわけにはいかない。
「バブル。俺はそんなにお土産は買えないよ。時間もないし150ルピー位なら払ってもいいからお土産屋なしで回ってくれないか」
「いいからいいから。気にすんなって。」
バブルは30度は越えるだろう猛暑の中、自転車を漕ぎ続ける。
汗だくの背中。
本当に暑い。さらに今日はサイクルリクシャーが車の間を通り抜けられない程、道路が渋滞していた。
お客さんとして乗っている自分もイライラしてくるくらい先に進まない。
お土産さん4件目。骨董品屋。
うおっ。超たけー。
すかさず退店。
バブルの温和な顔つきが変わり始める。
5件目のバブル行きつけのお店が本日閉店だった時、ついに彼の中で何かが切れる。
そう。バブル崩壊。
「そう。俺はお客さんがハッピーならハッピー。
お客さんが満足してチップをたくさんくれればハッピーなのさ。
ここから先に行きたかったら400ルピー払いな。」
ドーン!
━(゚∀゚)━!
彼の名はバブル。
彼は今日もインドのどこかでヘリコプターを漕ぎ続ける。
※いつもはここで終わるはずなのですが、今日はこの先も行きます。
この後また一人で歩いて、最後に有名なインド門をどうしても見たくて別のオートリクシャーのドラーバーと交渉。100ルピーでインド門+最寄の地下鉄駅下車でOKをもらう。
これがインド門。
でも降りる時に突然150ルピー請求されて、こっちも逆ギレして両方で怒鳴る中、近くにいた警察が来て仲介に。
ここもカオスか
仲間達の家に戻ったのは帰ると言った時間から1時間ほど過ぎていた。
「もう、心配したのよ。みんなでご飯食べようと待っていたんだから。」
アビの彼女(もうすぐ結婚?)のブヒャが親切に声をかけてくれる。
「デリーの観光はどうだった?」
「いやバブルがね、じゃなかった。良かった。良かったよ~。とっても良かった。」
この仲間達に出会えて本当に良かったと思う。
そろそろ空港に行かねばならない。
みんなが家の外まで見送りに来てくれた。
これはインド流のおもてなしなのかもしれない。
しかしインドの人が日本に旅行に来た際、逆のことを自分はできるだろうか。
おそらくNOだ。
それを自分より若い彼らはやってしまうのだ。
別れを惜しむ時間も僅か。
数時間後のフライトで次の大陸アフリカへ行かねばならない。
「またデリーに来た時は連絡頂戴ねー。」
「おー、必ず連絡する!」
オートリクシャーは夜の中を空港へと走り出した。
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